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デジタル教科書の問題点を考えました。

・紙教科書より高い
東京書籍デジタル教科書

教科書協会 教科書定価表

東京書籍、コミュニケーション英語 All Aboard! English Communication I は紙教科書だと635円だが、学習者用デジタル教科書だと1000円だ。

デジタル版だとネイティブの発音や関連動画などが付属するのだろうが、価格差に見合うものだろうか?。普通は教師の指導書にDVDーROMが付いていて授業ではそれを使う。またラジオ語学番組を聞くという選択肢もある。ほとんどの生徒にとって、それで十分ではないだろうか?。自主的に勉強する生徒なら自分のデジタル教科書の発音や動画を使って勉強するだろうが、そんな生徒はごく一部だろう。ほとんどの生徒にとっては、自分の学習レベルを超えるハイスペック&値段の高い教科書を買わされるだけだろう。RIZAPへの入会は、希望者だけにするべきだ。

・紙教科書がPDFになっただけのデジタル教科書
教科書会社によっては教師用デジタル教科書はあるが、生徒用は紙教科書がPDFになっただけなんてものもあるようだ。値段は無料~数百円と低価格らしいが、これではとうてい紙教科書の代替とはならない。

デジタル教科書を作成するには、それなりの投資が必要だ。教科書会社の中には中小企業もあるので、先行きが不透明なデジタル教科書に躊躇する会社も存在することは確かのようである。

・デジタル教科書の使い方習得に時間がかかる
教科書会社ごとに違っていた操作方法を統一するためのCoNETSという取り組みがあるが、参加していない教科書会社もある。シャープペンシルや消しゴムの使い方は説明不要だが、デジタル教科書の使い方は説明の必要が出てくる。パソコンに不慣れな教師も多いので、使用方法を習得するには結構な時間がかかる。その時間を捻出するには、過労死レベルの残業が必要な人も多い。

・トラブル対応
授業に常に支援員が付いてくれる訳ではない。説明書では「AするとBとなります」と書かれていても実際には「AしてもBにならない」ことがよくある。クリックしたつもりがないのに押してしまった場合もあるが、予期せぬバグの場合もある。トラブル対応は教師の仕事じゃない。教師の仕事は授業だ。トラブル対応のために教師一人に数名の支援員を配置するべきである。トラブルが多発すれば「もうデジタル教科書なんて使わない!(怒」になる。

・インストール作業が必要
タブレットで教材DLできず 県立高34校(佐賀新聞)

授業を潰して生徒にインストール作業をさせた県教委だが、大勢がネット経由で大容量をダウンロードすればトラブルになることは素人でも分かること。その挙句高校生でも分かる危険な方法で、不正アクセス事件へ至った。

現在では各学校に常駐する作業員が年度初めに、生徒のパソコンを集めてインストール作業をしているようだが、作業員が1~数名しかいないので数週間かかる上に、ミスで作業をやり直したりと、お世辞にも順調とは言えない状態のようだ。

また東京書籍のWebサイトには「上記価格は,デジタル教科書(学習者用),デジタル教材(学習者用)の本体に対する価格であり,インストール作業等は含んでおりません。」と明記してあることから 誰がインストール作業をするのよ? が見過ごせない問題となる。

CoNETSではライセンスサーバーへのアクセスが必要となるなど、周到な事前準備が必要と言わざるを得ない。

・生徒パソコンにインストールして初めて不具合が分かる
多種多様なデジタル教科書がタブレットにインストールされるが、数が多すぎて事前に動作確認は行われないようだ。授業が始まってから不具合に気づくこともあるらしく、ほとんど使われないままのケースも出ているということだ。

・サポートが貧弱
教科書会社も普及に精一杯で、売った後のサポートが貧弱らしい。問い合わせをしても原因が分からない、回答に時間がかかる、資料が何一つ付いていない、結局教師が手探り状態で試行錯誤するしかない状態に陥り、使われなくなっていくというケースを何校も見てきた。

・教科書決定が1年ごとなので、毎年インストール作業が必要

教科書が決まるのは夏休み前なので、三年分のデジタル教科書をインストールできないそうだ。結局、毎年4月に数週間かけてインストール作業が必要となる。

・卒業のときにアンインストール作業が必要
ほとんどの教科書会社は「生徒が高校生の間のみデジタル教科書を利用可能」という使用条件なので、卒業前にアンインストール作業が必要となる。作業員が少ないので、一週間前後かかるらしい。

・アンインストールすると何も残らない
デジタル教科書には書き込みができる。教科書だけでは分かりにくいとき、自分が記入する補足書き込みは重要だ。しかしアンインストールされれば、何一つ残らない。生徒の三年間の学習記録はすべてパーだ。

・アップデート作業が必要
パソコンはかなりの頻度で修正・更新プログラムを適用する必要がある。授業時間にできないので 誰がアップデート作業をするのよ? が見過ごせない問題となる。バックグラウンドでアップデートできるものもあるだろうが、管理者権限がないとできないものもある。自宅にネット接続環境がない生徒もいるので学校でやるしかないが、1人しかいない支援員がやれば一週間以上かかる。そんなことを年間十回も二十回もする暇など無いのである。

・小中学校では紙教科書は無償配布なのに、デジタル教科書は有償
タブレットの費用は誰が負担すべきか、デジタル教科書の費用は誰が負担すべきか、自治体が負担するなら費用対効果はどのように測定するのか、事前に決めておくべき事項は山積なのに、いい加減なまま始めて後で揉める自治体が増えるだろう。


・タブレットが故障すると代替機が必要
故障するとメーカーとのやりとりや事務手続きなどが発生する。これらの負担が教師に押し付けられてやる気を無くしていく人を知っている。教師は授業のみ、それ以外は教育委員会対応という明確な役割分担をしない限り、普及は無理だ。




 


やはり悩ましい中華ICT製品のセキュリティ問題 山本一郎 2017/8/10(木) 16:02

【KEIAN/恵安】 VSTARCAM Mini WIFI IP Camera 技術基準適合認定済み有線/無線LAN対応ネットワークカメラ C7823WIP


武雄タブレットには、児童の個人情報とか保存していなかったのだろうか

中華製品は悪質なセキュリティ問題が多いという話が飛び交っているから、教育ICTもセキュリティ専門家を入れるべきなのかも(日本メーカーでも中華部品が使われているだろうから完全には信用できないのかもしれないが・・・)

 

期待7割に対し「役立っている」2割…保育園ICT化の課題 PR TIMES 2017年7月11日(火)16時26分

結局、業者は製品を売ることが第1で、ユーザーの困ったを改善することは2の次、3の次なのかもしれない。

技術者が改善を!と願っても、経営トップは利益を出すことが至上命題なので、中途半端なサポートに終わってしまい、不満だけが残るケースは多い。

「ITで課題解決を!」なんて言うのは単なる宣伝文句で終わってしまう運命なのかもしれない。





 

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